アメリカ海軍、「エンタープライズ」対空捜索レーダーの試験を完了

水上戦闘システムセンターで試験に使用されたAN/SPY-6(V)2(写真:Raytheon Technologies)

レイセオン・テクノロジーズ傘下のレイセオン・ミサイルズ&ディフェンスアメリカ海軍は8月2日、バージニア州ワロップス島のアメリカ海軍水上戦闘システムセンターで行なわれていた、「エンタープライズ」(EASR)対空捜索レーダーの一連の試験が完了したと発表した。

EASRはアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦フライトⅢに搭載されるAN/SPY-6(V)1AESAレーダーの派生型で、今回の試験では回転式のAN/SPY-6(V)2と固定式のAN/SPY-6(V)3の性能が実証された。

SPY-6シリーズは RMA(Radar Modular Assembly)と呼ばれるモジュールを複数個組み合わせてアンテナ・アレイを構成する仕組みとなっており、アメリカ級強襲揚陸艦とニミッツ級原子力空母への搭載が予定されているAN/SPY-6(V)2、ジェラルド・R・フォード級原子力空母と新たに建造されるコンステレーション級フリゲートへの搭載が予定されているAN/SPY-6(V)3は、9個のRMAでアンテナ・アレイを構成している。

AN/SPY-6(V)3レーダーを搭載するコンステレーション級フリゲートのイメージCG(画像:US Navy)

AN/SPY-6(V)2および(V)3は単なる対空捜索レーダーではなく、電子防御や航空管制にも使用できる能力を備えており、従来型の単機能レーダーに比べて捜索距離も大幅に向上している。また前述したようにRMAの共通化による整備時間の短縮と整備コストの低減も見込まれている。

アメリカ海軍は2020年7月にレイセオン・ミサイルズ&ディフェンスと 4 基のSPY-6(V)2、2 基のSPY-6(V)3 の製造契約を総額1億2,600万ドルで締結している。

アメリカ海軍のプログラム・エグゼクティブ・オフィス統合戦システムズ(PEO IWS)で海上センサーを扱うプログラム・マネージャーを務めるジェイソン・ホール米海軍大佐は一連の試験完了を受けて「EASR は、高クラッタや密集した環境下の追尾でもその性能を実証しました。チームはシステムの改良と強化を継続すると共に、地上試験を活用して、レーダーを戦闘管理システムに統合する予定です」とのコメントを発表している。