日本航空宇宙工業会、2年ぶりとなる会長会見を開催

 

会見を行なった村山滋会長

日本航空宇宙工業会(SJAC)は5月28日、東京都内で総会を開催。それに先立って村山滋会長(川崎重工業株式会社特別顧問)が会見を行なった。

村山会長はCOVID-19の世界的感染拡大の影響により、2020年度の日本の航空宇宙産業の生産額は6年ぶりに2兆円を下回ったことを明らかにした上で、IATA(国際航空運送協会)は需要回復時期を2024年と予測しているものの低迷の長期化も危惧されており、注視していく必要があるとの見解を示した。

航空宇宙産業の生産額減少を受けてSJACは、重工業各社の支援策「Wingサポートアクション」の取りまとめを行なうと共に、雇用助成金の特例措置延長や防衛調達の支払い前倒しなどを政府に働きかけており、今後も引き続き航空宇宙産業の基盤となるサプライチェーンの維持に向けた取り組みを進めていく方針も示された。

航空自衛隊のF-2を後継する次期戦闘機に関しては、2020年12月に関係企業からの出向者からなるエンジニアリングチーム「FXET」(F-X Enginering Team)が発足し、現在は約200名体制で機体の基本構想策定に関する業務を行なっていることが明らかにされた。

2014年に防衛移転三原則の制定から6年が経過した現在も、新造防衛装備品の輸出はフィリピンへのレーダーの移転1件に留まっている。村山会長は先進国以外への防衛装備品の移転にはサポート体制の構築やオフセット契約といった、民間企業だけではクリアできない問題が存在しており、移転に関しては政府とのより緊密な協調が必要であるとの認識も示した。