アルウェットテクノロジー、SEECATで航空機搭載用合成開口レーダーを展示

フジインバックのUAV「B-Ⅱ」に搭載された「ATSAR-SR」

フジインバックのUAV「B-Ⅱ」に搭載された「ATSAR-SR」

 

10月15日から17日までの3日間、東京ビッグサイトで開催されたSEECAT(Special Equipment & Conference for Anti-Terrorism :テロ対策特殊装備展)に、東京都三鷹市に本社を置くアルウェットテクノロジーとUAV(無人航空機)メーカーのフジインバックが共同でブースを出展した。

アルウェットテクノロジーはNEC出身の能美仁代表取締役が設立したベンチャー企業で、主に航空機搭載用の合成開口レーダーを手掛けている。国内では同社のほか三菱電機、NECの大手2社が航空機搭載用合成開口レーダーを手がけているが、両社がコンポーネントを外注しているのに対して、アルウェットテクノロジーはソフトウェア含めてすべてを内製しており、「コストや開発のスピードには自信がある。これが大手に対する強み」(同社能美氏)という。

ブースではフジインバックのUAVに搭載するアルウェットテクノロジーの小型合成開口レーダー「ATSAR-SR」、有人航空機搭載用の合成開口レーダー「Realtime ATSAR」の展示が行われた。

ATSAR-SRは純国産の合成開口レーダーで、従来製品に較べて大幅に小型化・省電力化を実現している。従来のSARアンテナは航空機の動揺を補正するために回転させる必要があったが、本レーダーはフェースドアレイ・アンテナを採用しており、アンテナを回転させる必要がない。このためシステムがより小型化でき、また可動部分が少ないために信頼性も高い。

周波数帯はXバンド、Kuバンドで周波数幅は300MHz~500MHz。最大観測距離は5㎞。送信電力は0.5ワット(Xバンド)、0.3ワット(Kuバンド)、重量は2㎏となっている。開発費はフェーズド・アレイレーダー本体が3,000万円、無人機に搭載するハードウェアを含めても5,000万円と極めて低く抑えられている。

Realtime ATSARは航空機本体への改造を必要とせずに装着が可能で、画像処理は同社の資産を活用して開発されたソフトウェアをインストールしたノートPCで行ない、リアルタイムで観測データをディスプレイに表示できる。システムは15㎏以内(固定フレームおよびバッテリー除く)と、極めて軽い。

用途は噴煙や水蒸気に覆われた火山噴火口、被災地のモニター、豪雨による浸水地域を雨雲の上空からリアルタイムでのモニター、オイル流出、農業・植生分布、土地利用情報などのモニターが提案されている。また先月発生した御嶽山の噴火に際しても情報収集に使用されている。

SEECATで展示された「ATSAR-SR」

SEECATで展示された「ATSAR-SR」