UAE(アラブ首長国連邦)軍は2月23日、同国のアブダビで開催された防衛装備展示会「IDEX2021」の会場で、同国のYASホールディングスとの間で、韓国のハンファ・ディフェンスが開発した多連装ロケットランチャーシステム「チョンム」(CHUNMOO)を、29億5,000万ディルハム(約853億円)で調達する契約を締結したと発表した。
チョンムは2015年から韓国陸軍と海兵隊で運用が開始されているが、輸出は今回が最初の事例となる。
チョンムは韓国陸軍が運用していたM270 MLRSの後継として開発された多連装ロケットランチャーシステムで、プラットホームはハンファの8×8トラックを使用している。キャビンは装甲化されており、またNBC防護システムも備えている。
ロケットランチャーはM270で使用されていた227mm非誘導ロケット弾と、GPS/INS誘導式で対人用と対バンカー用の2つのモードを選択できる239mmロケット弾の発射が可能で、両ロケット弾とも1つのランチャーポッドに各6発、合計12発が搭載される。ランチャーポッドはモジュール構造を採用しており、再装填や使用するロケット弾の変更が容易に行なえる。