三菱航空機のスペースジェットM90、初号機納入を2021年以降に延期

スペースジェットM90初号機の納入延期を発表する三菱重工業の泉澤清次社長

三菱重工業の泉澤清次社長は2月6日、東京都内の本社で行なわれた2019年度第3四半期の決算説明会の冒頭で、同社の子会社の三菱航空機が開発を進めている「スペースジェットM90」のANAへの初号機納入が、2021年以降になることを明らかにした。スペースジェットの初号機の納入延期は今回で6度目となる。

納入延期の理由について泉澤社長は、型式証明取得用に製造した10号機の開発段階で、配線系統に解決しなければならない課題が発生し、配線や配管、ワイヤーハーネス、ソフトウェアなどの設計変更と、それに伴いサプライヤーから新たに供給された一部の部品に不適合品があったことなどから完成が遅れたことを挙げた上で、安全性を最優先するために納入延期を決断したと述べた。

10号機は現在滑走試験を実施しており、泉澤社長は「春先」を予定している初飛行と、開発拠点の置かれているアメリカのモーゼスレイクへのフェリーフライトの状況を見極めた上で、今後のスケジュールについて話ができるとの見通しを示した。

2019年のパリエアショーで展示されたスペースジェットM90

泉澤社長は現時点で納入延期に伴うキャンセルや補償の話は出ていないとしているが、M90の型式証明取得に全力を上げるため、事業化を検討しているスペースジェットM100の開発スケジュールに影響が生じるとの見解も示した。

なお三菱航空機は同日、4月1日付で水谷久和社長が会長に就任し、新社長に三菱重工業常務執行役員で、米国三菱重工業の社長を務める丹羽高興氏が就任する役員人事を発表している。泉澤社長は新人事について、長年にわたり航空機製造での事業経験を持つ丹羽氏を三菱航空機の社長とすることで、型式証明取得から初号機納入までのフェーズを加速させたいと述べている。