ロールス・ロイス、次世代戦闘機用電動スターター・ジェネレーターの概要を発表

テンペスト用ターボファン・エンジンのインフォグラフィック(画像:TEAM TEMPEST)

ロールス・ロイスは1月10日、同社が開発を進めている、イギリス空軍の新戦闘機「テンペスト」への採用を前提に開発を進めている、ターボファン・エンジンのコアに発電機を組み込んだ、電動スターター・ジェネレーターの概要を発表した。

ロールス・ロイスは次世代戦闘機には高いステルス性能と大きな電力供給量が必須となると考えており、2014年からエンジンコアに完全に組み込まれた発電機の設計を開始。現在は「E2SG」(組み込み型電気始動発電機)デモンストレーションプログラムへ移行している。

ロールス・ロイスでフューチャープログラムのチーフエンジニアを務めるコンラッド・バンクス氏は「組込型の電気始動発電機はスペースを節約しつつ、次世代戦闘機が必要とする大量の電力を供給します。既存の航空機エンジンではエンジン下部のギアボックスが発電機を動かして電力を作り出しますが、可動部品や複雑さに加え、エンジン外部のギアボックスと発電機用のスペースによって機体が大きくなり、ステルスプラットフォームでは望ましくありません」と述べている。

ロールス・ロイスはE2SGプログラムの第1段階で、ガスタービンエンジを直流電気回路に物理的に接続できる、統合電気設備の開発に対する大型投資を実施。2017年に始まった第2段階では、2つ目の電動発電機をエンジンの他の軸に接続したほか、電気回路上のエネルギー貯蔵システムや全システム間の電気供給をインテリジェントに管理する機能が追加されている。

第2段階からはテンペスト・プログラムの一環と位置づけられており、第3段階の試験では電動化エンジンの周辺機器のほか、全体のシステムに統合した新しい熱管理システムの開発が行なわれる計画となっている。

2018年のファンボロー・エアショーで展示された「テンペスト」の実大モックアップ

ロールス・ロイスはE2SGプログラムの成果を元に、高い出力水準を出す2軸構造の発電機や高度な熱管理システム、将来の戦闘機のデューティ比に併せた蓄エネルギーシステム、ガスタービン、出力および熱管理システム双方の性能を最適化できるインテリジェント・パワー管理システムなどを盛り込んだ、高度な出力推進システムの実証機の発表も予定している。