エアバス、防衛装備庁技術シンポジウムに「RACER」の模型を出展

エアバスが出展した「RACER」の大型模型

エアバスは11月12日と13日に東京都内で開催された防衛装備庁技術シンポジウム2019の先端技術ブースで、同社の子会社であるエアバス・ヘリコプターズがヨーロッパの共同研究プログラム「クリーンスカイ2」の一環として開発を進めている高速回転翼機のデモンストレーター(技術実証機)「RACER」の大型模型を出展した。

RACERにはエアバス・ヘリコプターズが開発した高速回転翼機デモンストレーター「X3」の技術が応用されており、メインローターと2基の前方飛行時に推力をもたらすサイドローターの組み合わせにより、巡航速度400km/hでの飛行を可能とする。

RACERの開発に技術と試験の知見が活用される「X3」

RACERはメインローターとサイドローターは2基の「ANETO1-X」ターボシャフト・エンジンによって駆動されるが、飛行中に1基のエンジンを電動で「スタート/ストップ」することで航続距離を延伸し、また燃費を低減する「エコモード」を備えている。

エコモードでは巡航速度が333km/hに低下するエコモード時に揚力を発生して燃費を軽減すると共に、サイドローターの地上運転中に乗客がローターに接触することを防ぐ効果を持つボックスウィングを採用しているほか、ハイブリッド金属複合製のエアフレームや新型の高電圧直流発電機など、軽量化による燃費の低減、さらには環境に与える影響を抑えるための新機軸が盛り込まれている。

RACERは2020年末にプロトタイプの初飛行を予定している。エアバス・ヘリコプターズは実用機としての開発も視野に入れており、民間での用途として離島と病院間の患者の搬送を含めた長距離人員輸送、消防防災や海難救助などの公共サービス、防衛用途として部隊の高速輸送などを挙げている。