ボーイング、新練習機「T-X」をパリエアショーでアピール

ボーイングが出展した「T-X」の実大モックアップ

ボーイングは第53回パリエアショーに、アメリカ空軍からT-38の後継機として採用された新練習機「T-X」の実大モックアップを出展。またショー期間中の18日にはT-Xの説明会も開催した。

T-Xはスウェーデンのサーブと共同開発されており、多くの工具を必要としない機体の分解や組み立て、短時間でのエンジンの交換といった、サーブがスウェーデン空軍の要求に応えて長年培ってきた、高い整備性と運用コストを低減するためのノウハウが盛り込まれている。

説明会では後席が前席より一段高い「スタジアムシート」などのT-Xの特徴が紹介された

T-Xのコクピットは前席、後席とも、大型のタッチパネル式液晶ディスプレイを採用しており、新しい戦闘機や訓練環境が登場した際にはソフトウェアの更新のみで適応することができる。

T-Xのコクピット写真を前に特徴を説明するボーイング社テストパイロットのマット・ギース氏

T-Xは地上のシミュレーターと一体化した訓練が可能で、兵装を搭載した状態での訓練も可能なシミュレーター「ウェポンシステムトレーナー」も開発されている。ボーイングは実機を使わずに実戦的な訓練を行ない、訓練コストを低減できることもT-Xの特長の一つとして挙げている。

アメリカ空軍は2018年9月27日に、T-Xの機体351機とシミュレーター46基を発注しており、最終的には475機の機体と120基のシミュレーターの導入を予定しているが、18日の説明会でボーイングの担当者は、全世界で2,600機程度の需要があるとの見通しを示し、既に複数の国から関心が寄せられていることを明らかにしている。

ヨーロッパ諸国などではアメリカ空軍が採用しているフライングブーム方式ではなく、プローブ・アンド・ドローグ方式の空中給油装置を採用している空軍が多いが、ボーイングの担当者は報道陣からの質問に答える形で、給油プローブの追加装備にも対応できるとしている。

T-Xとアメリカ空軍のT-38後継機の座を争った、KAI/ロッキード・マーティンのT-50、レオナルドのM-346両練習機からは軽攻撃機(軽戦闘機)型が開発されているが、T-Xにも将来そのような発展の可能性があるのかという報道陣からの質問に対してボーイングの担当者は、アメリカ空軍からはそのような要求は無いが、海外の顧客のニーズがあれば、軽攻撃機型の開発も可能であると述べている。