東京防衛航空宇宙時評

海自の新型護衛艦、国産RWSを搭載

防衛装備庁技術シンポジウムで展示された車輛搭載用RWSとコントロールパネル

防衛省は11月2日に、三菱重工業との間で海上自衛隊向けの新型護衛艦「30FFM」(基準排水量3,900t)2隻の建造契約を922億円で締結したが、この30FFMには日本製鋼所が開発した国産のRWS(リモート・ウェポン・ステーション)が搭載される。

RWSは主として省人化、省力化及び隊員の安全確保の観点から採用されたもので、海上自衛隊は既存の12.7mm機関銃を自動化したものと位置付けて従来と同等の運用を行うと説明。「水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)」と呼称している。

30FFMに「水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)」を搭載する最大の理由は省力化で、30FFMにはその他の機銃の銃架は設けられない。「水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)」は30FFMの艦橋ルーフのセンサーマストの付け根左右に装備される。

「水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)」は2009~2011(平成21~23)年度に当時の防衛省技術研究本部(現装備庁)が、日本製鋼所を主契約社として、12億円を投じて研究試作を行なった陸上自衛隊の車輌搭載型RWSをベースに開発された。

この車輌搭載型RWSにはサーマルイメージャー、ビデオカメラ、レーザー測距儀、自動追尾装置、安定化装置などが組み込まれており、5.56mm、7.62mm、12.7mm機銃及び、40mmグレネードランチャーを搭載して評価試験が行なわれたが、搭載を想定していた装輪装甲車(改)の開発が中止されたため、現時点では陸上自衛隊には採用計画が存在していない。

海上自衛隊は30FFMにRWSを搭載するにあたって、ノルウェーのコングスベルク製の「シー・プロテクター」と日本製鋼所が試作したRWSの比較を実施。その結果国産品は輸入品に比べて維持整備が容易であること、海上自衛隊の要求に合致していたことなどから、「水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)」は日本製鋼所の試作品をベースに開発されることとなった。

「水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)」はレーザー測距装置や自動追尾装置、映像記録機能などを省略してコストの低減を図っている。火器は住友重機械工業製のM2 12.7mm機関銃が搭載されるが、日本製鋼所が開発した動力付きの20mm機関砲はM2よりも発射時の反動が小さいため、この機関砲の搭載も可能とされている。なお20mm機関砲搭載型は平成29(2017)年度に防衛装備庁からの受注(受注額8,754万4,800円)により試作も行なわれている。

「水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)」は30FFMのほか、平成30年度に就役する「あさひ」型護衛艦の2番艦「しらぬい」にも装備される。調達コストは30FFM用が2隻分4基で1億52,15万0,400円、調達単価約3,800万円で、「しらぬい」用には2基が各2,160万円で調達されている。同型艦の「あさひ」にも搭載されるかは明らかにされていない。いずれも機銃は官給品として支給され、この価格には含まれていない。

なお「水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)」は将来火器やセンサーなどの換装や、既存の艦艇に追加装備される可能性もある。

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